ボクシングで、判定のときだか、審判が選手二人の間に立って両方の選手の手を持ち、勝った方の手を上げさせるのだが、そのとき勝ったほうが、審判に持たれていない方の手まで同時に上げるのをよく見る。
(「挙げる」か?挙手とはちょっと違う気がするので「上げる」にしておく)

何かこの瞬間だけボクサーは人形になったみたいである。
両手が体の中でつながってるんじゃないかとか思ってしまう。
あれだけ激しい競技を終えたあとで汗だくのムキムキのオヤジは実は人形で、審判に片手を上げさせられると両方上がってしまうのである。
どんなに怖い顔のガラの悪そうなボクサーでもあの瞬間だけは人形だと思うと、何か可愛らしい。
少なくとも僕は、象や豚や子供よりは可愛いと思うのだが。