晩飯を食いにいったら、向かい合わせに二人が座る用のテーブルに通された。まあそれはどうでもいい。
同じ様なテーブルが横にいくつか並んでいたのだが、隣のテーブルに座ったのは中年の男と若いとも老けたとも言いにくい女性だった。男よりは若かったように思う。
でまあ聞くつもりのない会話がコッチに聞こえてきたわけだが、何か女性の口からやたら「全裸」とか「写真集」とかいう単語が聞こえてくる。
全然聞いてないフリをしながら耳を澄ましてみたのだが、あまり大きな声でしゃべらないのではっきりと聞き取れない。
しかし確かに聞こえた単語がひとつあった。
「全裸ボウリング。」
女性ははっきりとそう言った。その人がやる感じではなかった。やられると少しキツイ年齢だったし。
何かエロビデオか何かの企画に関する話し合いでもしてたのだろうか。
結局それ以上の情報は得られないまま二人は席を立ってしまった。もっと最初から必死で聞き耳を立てておけばよかった。
こんな時、自分がスパイだったらなあ、と思う。あるいは政府の特殊工作員なら。
彼らならこんな会話もやろうと思えば一字一句逃さず聞く事ができるだろう。
やはり過酷な訓練にはそれなりの報酬があるという事か。